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地域通貨でフィンテックを利用した通貨をまとめてみた。自分の街の通貨はある?

こんにちは!finte編集部の佐野です。
 
仮想通貨とともに、地域通貨がとりあげられることが増えています。地域通貨とは、特定の地域において目的を持って利用される独自の通貨のことです。地域通貨はどのような効果を期待されているのか、フィンテックの技術をどのように取り入れているのかをご紹介します。 
 

地域通貨とは

 
地域通貨とは、法定通貨(国が法律で定めた通貨)ではなく、特定の地域やコミュニティ内においてのみ国が定めた通貨と同じく、もしくは全く異なる価値を持つ通貨のことですが、その定義は明確にはなされていないそうです。地域通貨は日本国内でも実は多数存在しています。その数は2017年4月において日本国内では約660あると言われています。なぜこれほどまでに多くの地域通貨が生まれているのでしょうか。
 

 
 

 

地域通貨のはじまり

日本における地域通貨の歴史はとても古く、むしろ通貨が統一されたのは19世紀に入ってからだと言われています。明治時代頃まで通貨は統一されておらず、日本という国の中でも、いくつかの通貨が同時期に利用されていました。
 
平安時代においては、東日本は東北に多かった金(ゴールド)を利用した金の経済があり、西日本では中国から貿易によって購入していた銀と、輸入をしていた銅を中心とした経済があったそうです。江戸時代には、各藩が発行していた藩札(領内だけで通用させた紙幣)やお寺や商人が自ら発行していたお札が流通していました。
 

地域通貨のタイプ

 
地域通貨には2つのタイプがあるとされています。集中管理方式と相互信用発行方式と呼ばれるものです。それぞれの特徴を解説します。
 
 

集中管理方式

集中管理方式とは地域通貨として紙幣などを管理者が発行する方式です。法定通貨(円やドル)と同じ方式で特徴としては、かんたんに利用ができるという点と、何を買ったのかということを知られずに取引をおこなうことができるという点です。問題点は管理者が紙幣の発行量をしっかりと管理をしないと、紙幣が増えてお金の価値が低くなる(インフレする)という点です。
 

相互信用発行方式

もう一方のタイプとしては、相互信用発行方式というものがあります。紙幣の発行はしないという方式です。お金は通帳やネット上の口座の数字で表され、その数字で取引をおこないます。良い点は、口座に残高がない場合でも物を買えるという点です。紙幣を発行しすぎてお金の価値が低くなるということもありません。問題点は取引を記録することが大変だということです。
 
 
こうしてみると、仮想通貨のビットコインとも似ている概念が多くあるように思います。
 
 

 

 

近代の地域通貨

法定通貨により日本の通貨が円に統一されたのは約120年ほど前です。それまで一般的に日本各地で利用されていた地域通貨と現在の地域通貨では、その意味合いは少し異なります。現在の地域通貨の殆どは、通貨の統一がなされてから目的を持って作られたものだそうです。以下に3つの地域通貨の例をご紹介します。
 

労働引換券

世界的に見ると、地域通貨はさまざまな目的で作成されていました。ロンドンでは自分が作ったものに対する労働時間を価値の水準として定められた「労働交換券」が有名です。自分が作ったものと引き換えに、その作成にかかった時間が記された「労働交換券」を得ることができました。そして、同程度の労働時間によって作成されたものを購入することができるシステムでしたが、労働時間を計算することの難しさから、公正な取引が難しく失敗したそうです。
 

スタンプ貨幣

1930年ほどにアメリカやヨーロッパで地域を活性化するために利用された「スタンプ貨幣」は食品のように長く持っていると価値が少なくなる腐る通貨です。スタンプ通貨は貨幣の価値を保つために、定期的にお金を払って支払い時の日付をスタンプで押さないと利用できなくなるという、ユニークな通貨でした。スタンプ貨幣の目的は、早く使わないとお金の価値がなくなってしまう(マイナスの利子がつく)ことによって、経済が回るスピードを早めて貯蓄することを防止することだったそうで、実際に狙い通り経済は活発化したそうです。
 

LETS

LETSとは、1983年にカナダのバンクーバー島で生まれた地域通貨です。地域のコミュニケーションを活性化し、お互いが助け合い、生き甲斐を持つ地域づくりを目的にして作られた地域通貨だそうです。この地域通貨では、紙幣などは発行せずに取引する人がお互いに通帳に取引を記録する通帳をもち、記録することによって支払などをおこないます。
 
お互いがお金を発行する権利を持っているため、実際にお金を持っていなくても支払いができてしまうシステムです。口座を管理するために事務局があるものの、取引とそれに伴うお金の発行は、当事者の合意によっておこなわれます。この地域通貨は現在も存在しているそうです。

 
 

地域通貨の効果

 
地域通貨の目的と種類をご紹介しましたが、どのような効果を期待して作成されていたのでしょうか。地域通貨の種類や、システムはさまざまですが、その目的は主に次の3つであると言われています。
 

地域通貨のメリット

地域経済の活性化

一つには、地域の経済の活動を活性化するため効果があります。日本で考えるとイメージしづらいですが、国の通貨である法定通貨(円やドル)があまり浸透していない場所などでの経済活動を活性化するために利用されるようです。スタンプ貨幣などもこういった狙いがあり作り出されたものだそうです。
 

地域間の結びつきを強める

地域通貨の効果として期待されるものの中には、地域間の結びつきを強めるという点があります。LETSはコミュニティの冊子に掲載している、援助の依頼やお願いしたいサービスなどや品物を見つけて、支払いをお互いが話し合い納得して金額を決定します。こうした取引の中で、LETSはお互いが求めているもの、困っていることを知り協力するためのツールとして使用することができます。
 

地域へ貢献する人をふやす

地域通貨を手に入れるための方法に地域への貢献を条件とすることによって、地域へ貢献をする人を増やすことができます。地域という限定された中での活動に目を向けさせるという狙いもあるようです。

 
 

地域通貨のデメリット

たくさんのメリットがある地域通貨ですが、デメリットももちろんあります。大きなデメリットとしては、地域の外からの消費を呼べにくくなるということがあります。地域通貨を持っていない外部の人からすると、異なる通貨を利用する地域との取引は不便なものになります。地域外でも一定の価値を持つ通貨でないと、経済活動が地域内に限定されてしまう可能性があります。
 
他にも、以下のようなデメリットが考えられます。

  • 広めることが難しい
  • 偽造することが比較的容易
  • 運営主体の問題で終了することがある

運用主体の問題による通貨の終了(信頼を失い、通貨としての価値が失われること)はもちろん法定通貨(円、ドル)にもありますが、運営主体の規模が小さい地域通貨はよりリスクがあると言われています。

 
 

テクノロジーを使った地域通貨まとめ

地域通貨は現在、日本には約677あると言われています。そんな中でも最近ではテクノロジーを利用して、地域通貨を運用するためのシステムを強めているフィンテックとしての地域仮想通貨とも言える地域通貨が誕生しているようです。こちらから、テクノロジーを利用した地域通貨をご紹介していきます。
 

国内初!会津の学内仮想通貨

白虎コイン

報道時期:2017/03/24
換金  :不明
目的  :地域通貨への応用を目指す
参照  :会津大学

 
特徴
スマートフォンに指定のアプリをダウンロードし、一定のお金を店でチャージすることによって使用可能となる仮想通貨です。支払いの際は店側が提示するQRコードを読み取る事により完了します。スマートフォンをもしも紛失してしまった際にも、取引記録で持ち主を割り出し取引することができるという特徴があるそうです。
 
同大学は2016年にも、アニメやコスプレなどを中心として福島県の魅力を発信するイベントにてブロックチェーンを利用した地域通貨の実証実験をおこなっていたそうです。今後は地域通貨としての応用を目指しているそうです。

 
 

あべのハルカス

 

近鉄ハルカスコイン

報道時期:2017/09/06
換金  :不明
目的  :沿線利用者の金融インフラによる活性化、および地方創生
参照  :KIPS

 
特徴
近鉄グループが三菱総合研究所と協力し「あべのハルカス」にて近鉄ハルカスコインの実証実験をおこないました。抽選で選ばれた5,000人の対象者が、5,000円を支払い1コインが1円に相当する近鉄ハルカスコインを1万コイン受け取り、近鉄百貨店あべのハルカスにあるお店(約200店舗)と、展望台、美術館に入場することに利用されました。
 
5,000円を払うことによって1万円分の買い物ができるということで、話題を呼んだそうです。近鉄の目的としては、近鉄線での経済の活性化であり、三菱総合研究所としての目的は地方創生にあったそうです。こちらもビットコインに使用されているブロックチェーンが利用されています。
 
 

県外、海外からのお金を集める!

琉球コイン(仮)

報道時期:2017年4月17日
換金  :可能
目的  :県外からの投資をあつめるため
参照  :沖縄タイムスプラス

 
特徴
ブロックチェーンを使用した仮想通貨の「琉球コイン(仮)」を沖縄県が発行することにより、県外や海外からの投資を得ることを検討しているようです。ビットコインのようにネット上のデータにて取引をおこなう仮想通貨です。円やドルなどの法定通貨との換金も可能にする予定だそうで、仮想通貨の取引所も開設も検討しているそうです。
 
取引所の開設にはビットバンク社、販促にはメディアフラッグ社が支援を表明していて、可能性を持っているそうです。沖縄で支払いができる環境を整えた上で、琉球コインでしか購入できない商品などを販売するなどをして外国人観光客や沖縄に注目する空手家などをターゲットに、琉球コインへの需要を高めていく予定です。

ビットバンクCEOの廣末氏は「沖縄独自の通貨圏は地理的にも歴史的にも面白い。今の沖縄の活況を見ると成功する可能性は十分ある」と説明。メディアフラッグの福井氏も「特に流通サービス業の起爆剤になるだろう」と見通した。
 

 
 

長崎発の電子地域通貨

しまとく通貨

報道時期:2017年5月31日
換金  :不明
目的  :地域コミュニティ、経済の活性化
参照  :しまとく通貨

 
 
特徴
長崎県の壱岐島や五島列島などの離島の自治体が連携し、運用をおこなう地域通貨です。島外の観光客だけが購入できる地域通貨で5,000円支払うと6,000円分の「しまとく通貨」が購入できるそうです。お会計は、スマートフォンの画面に店員が電子スタンプを押すことによって完了するそうです。
 
かつては、金券によって2013年4月から利用されていましたが、金券の印刷や保管のための費用が膨らんできたために電子化へと移行したそうで、電子化したことによって顧客のデータを活用もおこなっていく方針だそうです。
 
 

地方を活性化する地域ポイントシステム

NeCobn

報道時期:2016年8月22日
換金  :可能
目的  :地域創生
参照  :NeCobn

 
特徴
株式会社Sound-Fが作成した、地域活性を目的として作成したポイントシステムです。静岡銀行と連携し、静岡県富士市にて実証実験をおこないました。地域限定で使用可能なポイントシステムで、スマートフォンのアプリをダウンロードすれば、店舗は割引のためのポイントシステムを使用することができ、スキャンをおこなうための機材は不要です。
 
ポイントは、使うことも、もらうこともできる仕組みになっており、富士市での実証実験では5,000円相当のポイントがダウンロードした消費者に付与されました。(※NeCobnは正式には地域通貨ではなく地域ポイントシステムですが、地域のコミュニティを活性化するツールとして取り上げています)

 
 

さいごに

いかがでしたでしょうか。
 
想像以上の数の地域通貨が地域には存在しており、地域のコミュニティや経済の活性化を目的として運用されていることを知りました。仮想通貨との類似点も多数あり、仮想通貨とは地域通貨にテクノロジーが掛け合わされたものなのかもしれないと考えさせられました。
 
普段の生活では、絶対的な信用があるように見える法定通貨(円やドル)と地域通貨の違いも、その通貨に共通の認識を持って価値を感じている地域が「国」という広い範囲であるにすぎないと考えると、面白いですね。今後も地域通貨や仮想通貨に注目していきます。
 
 


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佐野 祥貴

佐野 祥貴

新卒で入社した企業の出資先であるベンチャー企業に入社1ヶ月で出向、事業の立ち上げ、Web広告の営業、広報活動などを経て、finte編集部にて活動。全くの初心者にも知見のある方にも、わかりやすく、おもしろいフィンテックとの出会いをWebを通じて届けることができればと考えています。

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