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世界と日本の金融教育を徹底比較!日本はどうあるべき?

こんにちは!finte編集部です。
 
金融の教育に関してフィンテックを勉強していると日本はフィンテックに関して遅れていると言われています。その原因としてよく語られていることが、日本の金融教育です。海外の学校では当然のように金融に関する授業があるといいますが、どのような授業がおこなわれているのでしょう。世界の金融の教育をまとめてみました。
 
 

【目次】
金融教育(金融リテラシー教育)とは?
日本の中学・高校での金融教育
世界の金融教育
イギリスの金融教育
アメリカの金融教育
オーストラリアの金融教育
ニュージーランドの金融教育
カナダの金融教育
これからの日本
さいごに

金融教育(金融リテラシー教育)とは?

 
金融教育とは、お金や金融の動きを理解し、そこから自分の暮らしや取り巻く社会を考えることによって、よりよい生活を送る能力を身につける教育のことです。金融庁は、平成25年の金融経済教育研究会の報告書で最低限身につけるべき金融に関する能力として

  • 家計管理
  • 生活設計
  • 金融知識及び金融経済事情の理解適切な金融商品の利用選択
  • 外部の知見の適切な活用

を掲げているそうです。かんたんにいうと、自分の収入とでていくお金を管理し、それをもとに生活を設計することができる。資産運用に必要な金融の知識を持って、情報を得ながら資産運用をおこなうことができると言い換えられるのではないでしょうか。
 
金融教育とは、お金を増やすための方法である、収入を増やす、支出を減らす、貯まったお金を投資することを学ぶための教育です。
 
本記事では上記のような能力を養うために、学校の教育現場において、おこなわれている日本の教育(授業)と海外の教育(授業)を比較しながら見ていきたいと思います。
 
 

 
 

日本の中学・高校での金融教育

 
日本の金融教育はほとんどされていない」と、よく言われていますが本当にそうなのでしょうか。実際に日本でおこなわれている金融教育について調べてみると2014年度の調査から、中学校や高校での学校教育において金融に関する授業がどのようになされているかというアンケートを見つけました。
 
このアンケート結果によって、以下のような状況が国内の中学校高校にはあることが見て取れます。
 
 

日本における金融教育について

 
金融教育の現場のアンケートを見てみると、教師の方々も金融教育については足りていないと思いながらも、なかなかやりきれない部分も持っているようです。以下にアンケートに関するまとめと、具体的な回答などを見ていきます。
 

学校教育に関するアンケートのまとめ

金融教育がおこなわれるのは中学校の3年生からで授業時間は1時間から5時間程度が半数
金融教育のテーマは基本的に消費者関連で、生活設計の基礎的な分野の実施少ない
半数以上の教師が、金融教育についての授業時間と内容が不十分だと思っている
できない理由は、他の授業が大変、かつ重要だから
教師が金融教育に関する内容が不十分だと思う理由は、生徒の実生活との繋がりを感じにくいため

 
 

中高の義務教育で金融の勉強をする時間は中学3年生からで、1年あたり1時間から5時間ほど

現在、金融経済教育をおこなっている年間の時間数はどの程度か、学年ごとにご回答ください。
という質問に関して、中学校・高校の教師の答えが以下のような結果になっており、基本的に金融教育がおこなわれるのは中学校の3年生からで授業時間は1時間から5時間程度が半数だということが読み取れます。

  • 中学校1年生:「0時間」(74.2%)
  • 中学校2年生:「0時間」(58.2%)
  • 中学校3年生:「1~5時間程度」(44.6%)
  • 高校1年生 :「1~5時間程度」(60.9%)
  • 高校2年生 :「1~5時間程度」(49.3%)
  • 高校3年生 :「1~5時間程度」(47.7%)

 
 

取り扱っている内容は消費者として損をしないための教育をおこなっているところがほとんど

これまでにおこなった金融経済教育に関連する授業で取り扱った内容はどのようなものでしたか。
こちらの質問に関しては中学校・高校を通じて、消費者関連のテーマが高い割合で教えられているようです。一方で、「お金の大切さや計画的な使い方」、「働くこととお金」といった生活設計の基礎的な分野の実施は、中学校・高校6年間を通じて3割弱です。

  • 消費者問題と消費者保護」:7割前後
  • 消費者の権利と責任」  :5~7割程度

 
 

半数以上の教師が金融教育に関する、授業時間も内容も不十分だと思っている

現在の経済事情と比較して、十分な内容が記述されていると思いますか。
という質問に対する答えでは、半分ほどの教師が現在の金融教育が不十分だと思っているとの回答が出たそうです。全体で見ると、教科書の記述が不十分である項目としては、「クレジット、ローン、証券など」(40.9%)が最も高く、次いで「年金制度」(35.0%)、「リスク管理(保険でカバーすべき事象)」(29.1%)となっています。
 
同様に「金融経済教育に関して、授業時間が十分に確保されていると思いますか。」という質問に関しても、全体を通じて「やや不十分」とする回答が4割強と最も多く、「不十分である」と合わせると約6割を占めています。
 
 

授業時間が確保できない理由は教育計画に余裕が無いから。

金融経済教育の授業時間が十分に確保できない理由としては、圧倒的に「現行の教育計画にその余裕がないため」(84.7%)が高く、他にも「教える側に専門的な知識が足りないため」(32.5%)、「他により重要な学習内容があるため」(25.3%)が高い割合を占めているようです。
 
大切なことだとわかっていながらも、既存の学校教育を優先してしまうようです。
 
 

内容が不十分だと思う理由は、実生活との繋がりを感じにくいから

具体的には、中学校・高校及び教科の別にかかわらず、「用語・制度の解説が中心となってしまい、実生活とのつながりを感じにくい」(55.0%)、及び「知識は身に付くが、能力や態度が身に付きにくい」(40.9%)が高い割合となっています。
 
このことは、学校での金融経済教育が知識ばかりを注目する傾向になっており、実生活での実感とは結びつかないため、知識を使って能力や態度を身に付けることができないとの問題を抱えていることを示しているようで、たしかに自分が中高生のときも、お金に関する授業は知識系が多かったような気がします。
 

 

 
 

あなたの金融リテラシーは?


 
教育現場では多くの教員の方が金融教育の大切さはわかっているようですが、授業時間が不足しているという状況があったそうです。さらに「生徒にとって理解が難しい」ということと「教える側の専門知識が不足している」ために金融教育をおこなうことは難しいと考えている教師も多いようです。
 
教える側の知識という点は、課題としてあるようで、2016年に金融広報中央委員会がおこなった調査によって金融知識、行動特性、考え方をそれぞれ採点したところ、日本は58点だったようです。経済協力開発機構(OECD)に加盟する14カ国の平均は63点で、日本はそれを大きく下回っているようでドイツ(71点)やハンガリー(69点)とも大きくはなされており、日本未満はノルウェー(57点)とポーランド(55点)しかなかったそうです。
 
金融広報委員会の金融リテラシー(金融教育の成果として表れる金融についての教養)のクイズのリンクを貼っておいたので気になる人はチャックしてみて下さい。
 
 

世界の金融教育

 
では、日本以外の進んでいると言われている海外の金融教育とはどのようなものなのでしょうか。海外では親子の間でお金のことについて話すことが日常的な国もあるそうで、お金に関してオープンな文化がある国もあるそうです。
 
アメリカなどでは、モノポリーと呼ばれる不動産を運用して家やホテルを建設することで他のプレイヤーから高額なレンタル料を徴収して自らの資産を増やす双六を小学生からするそうですが、今回は家庭内での金融教育ではなく、学校での金融教育について比較してみました。

 

参照文献|「日本において今後必要とされる金融リテラシーについて」:大阪経済大学 証券研究部 松岡班

 
 

金融教育の発祥であるイギリスの教育手法

 
金融リテラシーの発祥国であると言われているイギリスは非常に金融教育に力を入れているそうです。金融教育に関しては民間と国が連携する体制をとっており、金融教育をおこなう教師に対しての支援(教育のサポートやアドバイス)を地域のNPOがおこなっているそうです。
 
政府もとても協力的で、財務省は 2005 年に金融教育の一環として、子どもと保護者が投資・貯蓄の習慣を身に付けるようになることや、学校授業の金融教育の教材として利用できることを期待して、税制優遇措置を伴う子ども名義の投資・貯蓄制度(チャイルド・トラスト・ファンド(Child Trust Fund: CTF))を導入しているそうです。
 
 

具体的な教育内容

イギリスの金融教育の特徴は全てのキーステージ(学年)で金融教育がおこなわれているため、長期的に教育がおこなわれる点にあるそうです。具体的な教育内容は実例として以下のようになっています。すべての学年についての内容は細かくは紹介しきることができないためこちらから幾つかを具体的に紹介します。
 

「知識と理解」:貨幣とは何か

【内容】
クレジットカード、ストアーカード、カタログショッピングを含むクレジットと借金の様々な形態の意味を理解する授業です。
 
【方法】
衣服の買い方を調べる 。現金で買う、あるいは 、今買って後払いのどちらが最善の買い方を考える。
 
【対象学年】:11-14歳の小学校高学年・中学生

 

 

【内容】
当座貸越、様々にアレンジされたローンを含むクレジットと借金の意味と利子率を比較する方法を理解する。
 
【方法】
全国規模銀行のローンと当座貸越を扱っている銀行についてインターネットで調べる。利子率の違いを比較するために、年利子率と年平均利子率をいかに用いることができるかを考える。
 
【対象学年】:14-16 歳 の中学・高校生

 
 

「スキルとコンピテンス」(サブカテゴリー :予算を作る)

【内容】
個人の支出を計画し管理するために予算をどのように用いるかを理解し始める。
 
【方法】
ケース・スタディを用いて、1 ヶ月にわたり若い人のための収入と支出の予算を立てる。若い人は、衣服を買うために十分なお金をどのように貯蓄するかを考える。
 
【対象学年】:11-14歳の小学校高学年・中学生

 

【内容】
長期、中期、短期のお金に関する責務の違いと、これらの違いに対してどのように計画し意思決定するかを理解する。
 
【方法】
一生にわたって個人が行う様々なお金に関する決定について、ブレインストーミングをする。長期と短期のお金に関する責務の違いについて話し合う。
 
【対象学年】:14-16 歳 の中学・高校生

 

「責任」(サブカテゴリー:個人の生活上の選択をする)

【内容】
有限なお金の制限の範囲内で実現できる様々な必要に対して優先順位を付けるようにできるようになる。
 
【方法】
ある限られた予算で学校行事を組織する。費用と優先したい事柄を確認して、お金をどう使うかを決める。
 
【対象学年】:11-14歳の小学校高学年・中学生

 

【内容】
職業の選択や生涯の学習機会の選択によって、個人の金銭に関する結果がどうなるかを予想することができる。
 
【方法】
職業選択の違いが、金銭的利益にどう影響するか予想する。金銭的利益と、金銭では計れない報酬や個人的な満足とを比較する。
 
【対象学年】::14-16 歳 の中学・高校生

 
どれも、とても実用的で大人でも十分勉強になるような内容をイギリスでは小学校や中学校の授業で既に習っているということは驚きですね。このような授業を16歳までに受けているのであれば、金融に対する苦手意識が生まれないのかもしれません。
 

 
 

ゲームでも学べるアメリカ金融教育

 
アメリカの学校教育は各州の方針によっておこなわれるそうです。日本のような全国統一的な教育カリキュラムはありません。だからこそ、一概に金融教育に関して、どの州でも高いレベルでの教育がなされているということは言い切れないのかもしれません。しかし、金融教育の大半はやはりパーソナル・ファイナンスと呼ばれる個人がお金を稼ぐ、守る、貯蓄・投資する、使う、借りるための知識だそうです。
 
教材としては、ICTと呼ばれるオンラインで参加できる無料教材がたくさん用意されているそうです。金融にするクイズとアメリカンフットボールのゲームを組み合わせたクイズゲームや、株式ゲーム、学生が財政難にある人々を助ける 15 のミッションから構成されるシュミレーションゲームなど様々だそうです。
 
ゲームからの学習や新聞や資料を見ての議論をおこなって、体系的に金融を学び、生活に直結するクレジットカードとデビットカードの違いや使い方、投資に関する運用方法なども学びます。

 
 

オーストラリア

 

金融行政への取組と並行して、教育行政面に金融リテラシーを組み込む試みもおこなわれているようです。オーストラリアではアメリカと同様に、教育の管轄権を州政府が持っているようで州の代表者が集まっておこなわれた大臣協議会にて、すでにある複数の教科の一部に金融リテラシーを組み込むことが定められたようです。
 
2008年12月にはオーストラリアにおける教育の方向性を示すメルボルン宣言にて「全てのオーストラリアの若者が、学習の成功者、自信に満ちた創造的な個人、活動的で知識ある市民となること」という目標を達成させるために、消費者教育金融教育が重要な役割を果たすとされており金融教育が授業科目に取り込まれ、教員向けのサポート体制も整えられました。
 
 

ニュージーランド

 
ニュージーランドの小学校では低学年から「貯金」をしながらお金について学ぶプログラムが実施されているようです。小学校の低学年、5歳や6歳の子供が実際に行口座を持って預金を管理するというものだそうです。こちらのプログラムは自由参加だそうです。
 
このプログラムで面白い点は、預けたお金にきちんと利子がついて毎月取引明細がくるため、自分が預けているお金がどのように増えているのかがわかる点です。
 
わざわざ銀行にお金を預けに行く必要はなく、学校に設置されているボックスに入れるといいそうなので子供は親に銀行へ連れて行ってもらう必要がありません。親に頼ることなく自分の口座を持ち、口座を幼いころから管理するという能力がつくことが期待されているそうです。
 

 
 

選択科目の中で自分の得意を知るカナダ

 
カナダの中学校では、大学の授業ように選択科目が多いことが特徴だそうです。学ぶことができる幅はとても広いらしく、授業で建築図面の描き方を習ったり、木のみを扱う工作を学んだりするそうで、その中の一環として金融教育もあるそうです。
 
詳しい授業の体験談ではないのですが、履修要項によると銀行の口座の開き方や、口座の種類、利子や定期預金、お金の運用など、実用的に自分の資産を管理・運用するための手段としての銀行の機能を学ぶということをおこなうそうです。

子ども銀行口座なども含めるとこの年齢だと銀行口座を持っている生徒もかなりいる。でも、複雑な運用まではなかなか親も教えてくれない。でも増やせるお金は増やしたい。当たり前のことだ。この授業を通して中学生は大人への階段を一歩上がっていくのだ。
 

 
 

日本の金融教育のうごき

 
フィンテックが進み、金融に関する教育にも必要性が注目されているのか、日本でも学校での授業で金融教育を取り入れる動きが強まっているようです。金融広報中央委員会は、2017年の9月から全国22の学校において金融教育の金融教育公開授業をおこなっているようです。また、小中高の学校教育においてもより学生に金融を身近に感じ考える機会を増やすための授業を取り入れているようです。

 
 

小学校教育

社会科の授業

くらしを支える水について調べてみよう

生活科の授業

パン屋さんとなかよくなろう

家庭科の授業

安心・安全な生活を目指して、もしも(万が一)の時への備えについて考えよう
買い物名人になろう

 
小学校の授業では、お金の定義や消費者としてのリテラシーを高めるための授業を多く取り込んでいるようです。社会科・生活科の授業では、課外学習も盛り込みながらお金について考えさせる機会を設けているようです。また家庭科では買い物を通してお金の大切さ、使い方を学ぶ機会を設けているようです。さらに詳しい授業の内容が知りたい方は、リンク先の情報をご参照ください。

 
 

中学校教育

社会科の授業

家計のシミュレーションゲームと模擬商談
企業(会社)を作ってみよう

技術・家庭科(家庭分野)および総合的な学習の時間

商品にふさわしい「価格」を考えよう
生活に必要な金融商品を知って、選択する眼をもとう
 
社会科の授業では、家と企業のお金について学ぶ機会を設けているようです。技術・家庭科などでは、ものの適切な価値をかんがえるとともに、身近な金融商品(クレジットカードやキャッシング)を理解することによって資産管理ができるようなるために教育の機会があるようです。
 
 

高校教育

公民の授業

クルマの“窓”から経済をのぞいてみよう
経済の変化をとらえる方法を学び、日本経済の現実を知る
リスクとリターンを体験してみよう!
人生の「リスク」に対するセーフティネット!
ロールプレイとシミュレーションを通して金融政策を学ぼう

資料

 

家庭科の授業

ライフプランを立ててみよう
社会保障制度を踏まえて生涯にわたる生活資源マネジメントについて考えてみよう
 
高校生の授業では、消費者としての教育だけだはなく資産運用のための教育もされているようです。小中学校において消費者として必要な知識などを学んだため高校生では投資の知識も学んだ上で自らのライフプランを立てられるように設計されているようです。中学校でおこなっていた授業などと比べると、アカデミックな授業も増えているイメージです

 
 

さいごに

 
いかがでしたでしょうか。
 
今回は日本と世界の金融教育について比較してみました。日本でも最近では金融教育について力を入れているようで、授業内容をみても面白そうな授業がたくさんありました。課外学習などの内容も多くあり、生徒に苦手意識を持たせない内容になっていますが、実施する教師側がしっかりと授業の主旨を伝えてあげないと「ただ楽しかった」という感想で終わってしまう可能性もある気がします。
 
金融について知見のある企業の方が金融教育をサポートする流れがよりできればいいですね。
 
 


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佐野 祥貴

佐野 祥貴

新卒で入社した企業の出資先であるベンチャー企業に入社1ヶ月で出向、事業の立ち上げ、Web広告の営業、広報活動などを経て、finte編集部にて活動。全くの初心者にも知見のある方にも、わかりやすく、おもしろいフィンテックとの出会いをWebを通じて届けることができればと考えています。

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