生体認証決済サービスの特徴まとめ|最新10サービス

こんにちは!finte編集部です。
 
Fintechフィンテック)技術により決済(お金の支払い)は、より簡単になってきています。現金でのみ支払っていた時代からクレジットカードの登場、そして最近は財布を持たなくてもスマートフォンに登録したクレジットカード情報から買い物ができるようになってきました。
 
次の決済として注目されている技術は生体認証バイオメトリクス認証)による決済だと言われています。お買い物に行く際、財布に加えてスマートフォンすら持ち運ぶ必用のない時代が来るかもしれません。

 

暗証番号をいくつ持っていますか?

テクノロジーの発展によって、多くの決済手段が可能になってきました。それに伴い多くのID、パスワードを記憶しておく必要がでてきています。ついつい、同じID、パスワードを使いまわししてしまいがちですが、それはなりすましやアカウントの乗っ取りなどのリスクに晒されることになります。
 
手持ちの現金がないときにも、支払いができる選択肢が増えているのは便利ですが、その分のリスクと不便さが生まれてしまっていると言う人もいます。 IPA情報処理推進機構の調査によると、お金に関するサービスにおいても、忘れてしまうからという理由から4分の1の人がパスワードの使い回しをしているそうです。
 
そこで注目されているのが、生体認証を利用した決済手段です。生体認証とはバイオメトリクス認証ともいわれています。

『生体認証(せいたいにんしょう)はバイオメトリック(biometric)認証あるいはバイオメトリクス(biometrics)認証とも呼ばれ、人間の身体的特徴(生体器官)や行動的特徴(癖)の情報を用いて行う個人認証の技術(プロセス)である。』
 

 
スマートフォンやパソコンへのログインや、車の施錠解錠、出退勤の打刻やセキュリティの厳しい部屋に入る際など、最近では生体認証を使用する場面が増えてきたので見覚えのある人もいると思います。
 
 

生体認証にはどんなものがある?

生体認証に使える身体の器官や行動的な特徴には条件があるそうです。

  • 全ての人が持つ特徴、器官
  • 同じ特徴を持つ他人がいない
  • 時間によって特徴が変化しない

上記の3つが条件であり、この条件を満たすものとして以下が生体認証に使用できると言われているそうです。
 
 

生体認証に利用される身体的特徴

指紋  犯罪捜査にポピュラーで昔ながらの方法
DNA   最も確実な生体認証だと言われているが、時間が掛かる
掌型  手のひらの幅や、指の長さなどを用いて認証する方法
網膜  目の網膜の毛細血管のパターンを認識する方法で、装置が大掛かり
虹彩  虹彩パターンの濃淡値を用いる認証方式、装置の軽量化が進んでいる
静脈  近赤外光を手のひら、手の甲、指に透過させて得られる静脈パターンを用いる
   顔パーツや、皮膚のきめ、比率などから認証する方法
声紋  健康状態によって認識率が低下することがある
耳型  耳の形状を用いて認証する方法
体臭  体の臭いの化学的な成分構成をもとに認証をおこなう技術が研究されている

 
 

行動的な特徴

筆跡        筆記時の速度・筆圧の癖を利用し字体認証は生体認証ではない 
キーストローク   キーボードの打鍵の速度やタイミングの癖を用いる
リップムーブメント 発話時の唇の動きの癖を用いる
まばたき      まばたきによる黒目領域の変化量を測定する
あるきかた     歩行での骨格や筋肉等の特性や、動的な特性を用いる方法

 

スパイ映画やテレビドラマの犯罪捜査などに、よく利用されているような印象の生体認証ですが、この唯一性と決済時の手軽さから決済サービスとしても実際に利用されはじめているのです。
 
 

生体認証決済サービスまとめ

【サービスまとめ】

 
 

指紋認証サービス

指紋認証は、犯罪の捜査などにも多く使われていて古くから使用されている生体認証です。手軽で、信頼性も高いと言われていますが、偽造の方法が多く見つけられている手法でもあります。
 
スマートフォンなどよく使うものから指紋の採取し、本人になりすまして使用することができるといわれているため生体認証の中では安全性は少し疑問視されていますという意見もあります。2008年にはハッカー集団がピースポーズで人が写ったカメラの画像から指紋を採取できると発表しているそうです。
 
 

指紋認証サービスサービス紹介

 

Liquid Pay(リキッドペイ)

運営元:株式会社Liquid
URL:http://liquidinc.asia/
 

・手ぶらで決済が可能に
・指紋で不正利用防止
・レジ業務の効率化
・クーポン連携

 
詳細
スマホなどのアプリ経由でクレジットカード情報の登録をおこない、リキッドペイを導入しているお店に指の指紋を登録することにより、支払いが指で可能になります。クレジットカードを読み取るための機械などを導入する必要がなくなり、かつ指紋を使用しての生体認証でカードの不正利用をなくせるメリットもあります。
 
15年にハウステンボスが園内でこちらのサービスを導入し入園時に指紋を登録し、お金をアカウントに入れておくことにより園内でも買い物を指を使ってできるようにしたことは有名です。それほど大規模な導入例は世界でも例がないほどでした。
 
従来の認証システムでは登録している全てのデータから合うものを探していたそうですが、人工知能を搭載し似た指紋をグループ分けして管理することによって、正確さと認証速度を高めているそうです。
世界初の生体認証決済サービス「Liquid Pay」、ハウステンボスにおけるテスト導入開始|PRTIMES

 
 

zwipe(ズワイプ)

運営元:zwipe
URL: http://zwipe.com/
 

・MasterCard(マスターカード)と連携
・カード内に指紋データを取り入れる
・煩わしい暗証番号入力を省略

 
詳細
生体認証テクノロジーサービスを提供するズワイプは、指で直接支払いをするわけではないですが、暗証番号をおぼえる必要がないという意味ではとても使い勝手のいいクレジットカードをマスターカードと連携してZwipe MasterCard(ズワイプ・マスターカード)を提供しています。
 
さきほど紹介した、リキッドペイとは違い指紋の登録を直接カードにおこないます。それにより、買い物をする時に暗証番号を入力する手間を省くことができます。カード自体が指紋をスキャンするのですが、充電する必要はありません。外部に指紋情報を登録することがないのでより安全性が高いと言われています。非接触型カードで電車のICカードのようにワンタッチで決済が可能なので、支払いの際の利便性と安全性が両立しています。
 
 

今後について

指紋認証サービスは、スマートフォンに導入される例も増えてきておりアイフォンやサムスンのスマートフォンである『ギャラクシーS5』にも導入されているそうです。サムスンはペイパルと決済の提携をおこない、ペイパルの決済を指紋認証により可能にしたそうです。オフライン、もしくはネットショップで商品を選び、指紋認証を行いペイパルで決済をおこなうという手順で20秒もかからないとのことです。
 

韓国サムスン電子は24日、スマートフォン(スマホ)の主力機種「ギャラクシー」の新モデル「S5」を発表した。指紋認証を導入し、米決済大手ペイパルと提携した。

 
 
 

血管(静脈)認証サービス

近赤外光を手のひらや、手の甲、指に透過させることによって血管のパターンを認識し、それにより認証をおこなう技術です。確実で手軽な本人確認の手段として注目されてきました。
 
なかでも、普通では見ることができない手のひらや指などの静脈パターンを読み取る「静脈認証」は手のなかのことなので、指紋のようにふやけてしまったなどで変わることもありません。そのため認証は高精度で、かつ偽造や「なりすまし」などの不正行為が難しいという特徴があります。
 

血管(静脈)認証サービス紹介

手のひら静脈認証 FUJITSU 生体認証 PalmSecure

運営元:富士通、富士通フロンテック、JBC
URL:http://www.fujitsu.com/jp/group/frontech/solutions/business-technology/security/palmsecure/
 

・東京三菱UFJ銀行などで既に導入、カードなしで現金引き下ろし可能
・JCBの決済ネットワークと連携
・金融以外にも横展開をおこなう

 
詳細
自分のクレジットカード情報とともに、富士通のデータセンターに手の静脈認証を登録しておくことによって、静脈センサーのある店舗で手をかざすだけで支払いをおこなうことが可能です。
 
開発された2004年から47万台を提供していて、世界では約60ヶ国、6,300万人以上が実際に利用しているそうです。かざすだけで認証ができるので、衛生面に気を配らなければならない場所や、手がふやけてしまい指紋などの認証が難しくなる可能性のある海水浴などでの利用に適していると言われています。
 
 

今後について

日立製作所が2016年10月24日にスマートフォンのカメラ機能から静脈の認証をおこなえる技術を開発したと発表しました。スマートフォンのカメラに4本の指をかざすことによって1秒ほどで登録されたデータと照合し認証がおこなえるそうです。1・2年後の商品化を目指しているようですが、これが商品化すると静脈認証のシステムを店舗が導入する必要がなくなるので、一気に生体認証による決済が広まるかもしれませんね。
 

 
 
 

顔認証サービス

関西にあるUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)の入場口にも顔認証システムは使用されています。年間パスポートの購入と同時に顔を登録することによって、パスポートのなりすましを防いでいます。
 
顔のパーツなどで認証をおこなっていたため、年齢を重ねて顔が変わると認証ができないということも過去にはありました。顔認証の技術は進歩し、現在では顔の解析を顔全体でおこない、その人にしかない特徴で認証するため99.7%の正解率になっており、年を重ねても正解率は大して下がらないほどだそうです。
 
 

顔認証サービス紹介

支付宝 ALIPAY(アリペイ)

運営元:阿里巴巴集団(アリババグループ)
URL:https://www.alipay.com/
 

・顔認識成功率は90%以上
・うなずきによる動作により認証の精度を上げる
・スピーディーなログインを可能に

 
詳細
中国で最もポピュラーな決済サービスであるアリペイも生体認証の決済サービスを導入する予定だそうです。2回うなずくという動作を取り入れることにより認証の精度を上げているとのことです。
 
生体認証を取り入れることにより、電子決済サービスが進み、現金を持ち歩く人がかなり減っている中国経済では、ログイン情報を忘れてしまったり、支払いの時に手間取ったりしてしまうというリスクを解決されるものと期待されているそうです。
引用:チャイナ・ドリーム・サポート|支付宝(アリペイ)に顔認証機能 うなづくだけでログイン完了!

 
 

Master Card(マスターカード)

運営元:Master Card
URL: http://www.mastercard.co.jp/home/index.html
 

・500人程度のテスト環境から外部への提供を検討
・カメラに自分の顔を写し、1回まばたきをすることで認証
・指紋認証、音声認証、心拍情報の認証も同時に掛け合わせる予定

 
詳細
アメリカのマスターカードはパスワードの代わりに顔認証で本人確認をおこなうサービスの実験を予定しているそうです。500人ほどの買い物客を対象にしたテストをおこなった上で本格的に提供を開始する予定だそうです。
 
すでにApple・BlackBerry・Google・Microsoftなどと連携し、金融大手企業とも交渉中だそうです。認証はまばたきをおこなう動作を入れることにより、なりすましを防ぐ仕組みです。カードは顔認証の他にも指紋認証、声紋認証、心拍の動きによる認証も合わせて実験をおこなっているそうです。

参照元:CNNTEC|MasterCard will approve purchases by scanning your face

 
 
 

声紋認証サービス

声の指紋とも言われている声紋を使用した生体認証のサービスです。声紋は声の微妙差を見える化したもので、その紋様は一人ひとり特有の形をしているため、高い確率で個人を特定できるものだそうです。
 
 

NUANCE(ニュアンス)

運営元:NUANCE(ニュアンス)
URL: https://ecclab.empowershop.co.jp/

 

・世界初の声紋認証決済サービス
・自分の声がパスワードに
・電話するだけの手軽さ

 
詳細
ニュアンスは世界初の声紋認証決済サービスだと言われていて、自らの声をパスワードに利用しています。アメリカの認証システムなので英語で窓口に電話をかけ「私の声がパスワード」と話すとその声の声紋を認証し、暗証番号などを伝えることなく、残高の照会等の金融サービスを利用することができるそうです。
 
90% 以上の利用者が、声紋認証に満足しているらしく、その精度や認証にかかる時間などは非常に優れていると思われます。日本でも、大日本印刷株式会社がニュアンス・コミュニケーションズ・ジャパン株式会社と提携し、スマートフォンの音声入力機能を使用した音声認証サービスの開発を進めています。

 
 
 

Paidy

運営元:エクスチェンジコーポレーション(ExCo)
URL: https://paidy.com/
 

・クレジットカード情報事前登録不要
・メールアドレス携帯番号、そして声で本人確認をおこなう
・加盟店への支払いはPaidyが保証

 
詳細
「より良いファイナンシャル・サービスの実現へ」をコンセプトに持つエクスチェンジコーポレーション(ExCo)は、ソーシャルレンディングサービスなどを提供しており、リクルートストラテジックパートナーズ、サイバーエージェント・ベンチャーズなどから出資を集めている企業です。2016年1月、オンライン決済サービスPaidyに、音声認証コード機能を導入したことを発表しました。
 
Paidyは、事前登録が不要でメールアドレスと携帯番号を使用し、支払いができるサービスで、加盟店での支払いが可能です。加盟店での支払いはPaidyが保証してくれるのでクレジットカードを使っていない人も使用することができます。月で使用した金額はコンビニなどでの後払いになるそうです。
 
そんなPaidyに音声認証機能が導入されました。支払い時に音声認証での確認を選択し、電話をすると音声認証により認証コードをもらうことができるそうです。

参照元:オンライン決済サービス「Paidy」に「音声認証コード」機能を新たに導入

 
 
 

虹彩認証サービス

目には個人認証として使える器官が幾つかあり、よく映画などで目にするのは網膜と虹彩です。網膜は、眼球の奥にある毛細血管のパターンを読み取るものです。目の奥にあるという理由から網膜を撮影するには、かなり目を認証機械に近づけなければなりませんし、装置も大きくなってしまうため、使用の頻度は多くありませんでした。
 
現在多く使用されている、認証としての器官の虹彩は目の表面側に存在するものです。黒目の内側にある、瞳孔より外側のドーナツ状のしわである虹彩(アイリス)は妊娠6ヶ月以降変化することなく正確な認証が可能で、表面側にあるためスマートフォンのカメラなどでも認証が可能になったそうです。
 
 

ARROWS NX F-04G

運営元:富士通
URL:http://spf.fmworld.net/oss/appkit/fconfirmlock/summary.html
 

・虹彩認証をスマートフォンから可能
・指紋認証の12倍の精度
・メガネ・コンタクト・レーシック施術後も認証可能

 
詳細
富士通が開発、提供をおこなったARROWS NX F-04Gは世界初の虹彩認証の導入がおこなわれていることにより話題を呼びました。まだ具体的な決済サービスにはつながっていないものの、指紋認証と比べ12倍の精度を誇り、指紋がふやけてしまう海水浴場やお風呂場などでの使用も可能であるということもあり、注目を集めているようです。
 
 
 

進む生体認証

引用: INTERNET Watch |SMFG、NTTデータ、三井住友銀、Daonの4社、生体認証プラットフォームを2017年春に提供
 
大手金融機関も生体認証を使用するシステムに大きな関心を寄せているようです。 株式会社三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、株式会社三井住友銀行、株式会社NTTデータ、アイルランドDaonの4社は、指紋、声、顔などの複数の生体認証を用いて、認証できるためのプラットフォームとそれが利用できるスマートフォンアプリを提供予定だそうです。
 
このアプリを使用することによって、今までサービスごとに変えていたパスワードを一元管理できるようになりますし、生体認証とも合わせているため、不正やなりすまし防止にも効果があると言われています。既に海外では海外ではオンラインバンキング、社員証明、国民ID、パスポート、ビザ、運転免許証、選挙の有権者登録などに活用されている生体認証技術を金融機関等に提供していく予定です。

 
 

さいごに

自分が自分であることを証明するために、今までは自分で決めた暗号(パスワード)を使用していましたが、今後自分であることの証明は自分の身体によっておこなうことになる生体認証、セキュリティと手軽さはパスワードなどに比べると格段に上がると考えられていますが

  • 病気やケガが原因で、認証が出来なくなってしまう可能性
  • 生体情報は生涯変わることがないからこそ、一度なりすましなどに使われてしまっても、変えることが出来ない
  • すべてのシステムで同じ情報を使うため。システム管理者は、登録された情報を使って別のシステムの認証を通過できてしまう可能性

などの問題点が指摘されています。
今まで財布を出せば済んでいた強盗に指を切られということが起こらないか」という漠然とした不安を感じるような時が来るかもしれません。新しいセキュリティはより、さらに安全に、ストレスを感じさせることない世界の実現に近づきますが、慎重に進めていきたいと考える人も多いようです。
 
皆さんはどう感じるでしょうか。今後も生体認証に基づく決済サービスを紹介していきますのでお楽しみに!


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