Native Video Box(NVB)CEOに聞く可能性と今後の方針とは?

 
4月15日、Native Video Box(略称NVB。最新の機械学習と多層ブロックチェーン技術に基づいた動画宣伝をおこなえるプラットフォーム)のICOが終了します。

弊社の動画はウェブサイトの内容と自然にマッチし、押し付けがましい広告でユーザーの気分を害することはありません
 

Alexander Shishow氏

同社の創設者兼CEOであるAlexander Shishow氏に取材をし、以下のような点についてお話しをうかがいました。
 
・ユーザーの気分を害することなく動画広告で収益を上げる方法
・YouTubeや従来のコンテンツハブとNVBの違い
・特定のユーザーに合わせた動画ではなくウェブサイトのトピックに合わせた動画の選択が
 より効果的である理由

 
以下より、Alexander Shishow氏とのインタビューの様子をご紹介します。
 

人物紹介:Alexander Shishow氏

 
Native Video Box、CEO
広告技術および機械学習のプロジェクトにおける10年以上の経験を有するプロジェクトリーダー。
Botscaneer(トラフィック量管理のための自動化システム)の創設者
 

 

動画広告市場に変革をもたらす可能性のある、Native Video Boxとは?

 
現在、動画広告市場には膨大な数のプロジェクトがあり、どのプロジェクトも競合を追い抜こうと必死です。同市場で成功を収めるための計画について教えていただけますか?また、Native Video Boxのプラットフォームとはどういったものなのでしょうか?
 
Alexander Shishow氏: Native Video Boxは、状況に応じた動画をおすすめするサービスです。弊社は、ウェブサイトやモバイルアプリに、ウィジェットを介して使用許可を得た動画を提供します。
 
これらの動画はウェブサイトやアプリの内容に沿ったものが自動的に選択され、ユーザーには広告ではなくサイト独自のコンテンツとして見なされます。また弊社のプロジェクトでは、動画広告の挿入によりこれらの動画のマネタイズをおこないます。
 
 
具体的にユーザーから見ると、どのような見え方になるのでしょうか?
 
Alexander Shishow氏: 誰かがケーキを焼く方法や、旅行の裏技、家をリフォームするやり方などについての動画を作ったとします。弊社のプラットフォームを使えば、これらのコンテンツは似たようなトピックを配信するウェブサイトに自動で表示されるのです。実質的には、弊社は分散型メディアとして機能します。
 
 
技術的観点から言って、特定のウェブサイトに対する動画の選択はどのようにおこなわれるのでしょうか?
 
Alexander Shishow氏: まず始めに、弊社のブロックはウェブサイトにインストールされ、ウェブサイトのスタイルを摘出します。ここで弊社の人工知能アルゴリズムが真価を発揮します。
 
ウェブサイトのテキストコンテンツを分析し、そのメイントピックとサブトピックを見極めます。その後、弊社のプラットフォームは動画コンテンツストレージから自動的に動画を選択し、ユーザーがウェブページを閲覧した時にその動画を表示します。
 
その際のプロセスとして、ユーザーの興味関心と最も人気のクエリを一瞬で分析します。
 
 

動画広告市場においてビジネスを展開する理由とは?


 
数ある市場の中からなぜ動画広告市場を選択したのですか?何が魅力だったのでしょうか?
 
Alexander Shishow氏: 今から挙げる数字をお聞きいただければ、その理由が明確になると思います。
 
現在、動画は全インターネットトラフィックの80%を占めます。過去10年間でインターネット上の動画コンテンツは42倍に増え、同市場の時価総額は130億ドル以上にのぼります。
 
予測では、市場は引き続き成長を見せるとされています。
 
 
確かにその数字は驚異的です。しかし、物事には裏側があるのではないでしょうか?この場合では、競争が激しいということですか?
 
Alexander Shishow氏: その通りです。そのようなトレンドは、激しい競争を生み、最も強力でハイテクな企業のみが生き残るものです。
 
 
どのような理由からNative Video Boxのようなスタートアップ企業が規模の大きい企業との競争に勝ち筋があるとお考えですか?
 
Alexander Shishow氏: 弊社は、ウェブサイトの目的に沿った形で動画が挿入されるようにしており、押し付けがましい広告でユーザーの気分を害することはありません。
 
広告は、ユーザーが弊社の動画を任意でクリックした場合にのみ表示されます。弊社の機械学習システムと人工知能により、ユーザーではなく、ウェブサイトの内容に沿った動画が選択されます。
 
これが従来的な動画ホスティングサービスと弊社サービスが異なる点です。
 
 
従来的な動画ホスティングサービスとはYouTubeのようなサービスのことでしょうか?
 
Alexander Shishow氏: 他にもありますが、代表的なのはそうですね。
 
 
しかし、YouTubeは膨大なオーディエンスを持つ地球上最大の動画サイトです。動画で仕事をしたいと思えば、人々はまずYouTubeに行くのではないでしょうか? であれば、コンテンツ制作者にとってのNative Video Boxへ掲載するメリットはどのようなものがありますか?
 
Alexander Shishow氏: まず第一に、ウェブサイトに動画を掲載する時、YouTubeは各ウェブサイトに対する適切なコンテンツの自動選択などはおこないません。手動でのみそれは可能です。
 
第二に、我々のサービスでは、弊社プラットフォームに接続しているウェブサイトとコンテンツ制作者の両者が収益を上げることができ、コンテンツのマネタイズを確実にします。
 
 
 

Native Video Boxのビジネスモデルとは?

今お話しされたことは、すべて論理的で納得できます。しかし、そういった構想の実現可能性などはどのように見ていけばよいでしょうか。
 
Alexander Shishow氏: 弊社は、今までにはない、高品質かつ関連性の高い動画コンテンツをウェブサイトに提供します。そのようなコンテンツはウェブサイト自体の魅力を上げ、訪問者はより多くの時間をウェブサイトの閲覧に費やすようになります。
 
弊社のウィジェットはウェブサイトに組み込まれるため、特に動画が視聴される時はユーザーがサイトを離れることはありません。次に、滞在時間が延びればオーディエンスをさらに引き寄せられます。
 
加えてウェブサイトは高品質の動画コンテンツ作成に料金を支払う必要がないどころか、これらの動画をウェブサイトに掲載することで収益を上げることができます。
 
 

収益を上げることに関してはどのようにはお考えですか?
 
Alexander Shishow氏: これらの動画に他の商品やサービスの隠された広告、または少し分かりやすめな広告を挿入するのです。
 
人々はすでにテレビや映画で、プロダクトプレイスメントには慣れっこです。弊社はそれとほぼ同じことをインターネット限定でおこないます。最終的にすべてのクライアントが得をします。クライアントはつまらない広告に頭を悩ませる必要はありません。
 
代わりに、関連性が高いうえに桁違いの品質を持つ宣伝材料を手に入れられます。さらに、動画の視聴数が多いほどオーディエンスは大きく、納得のいく価格でサービスを利用し、高品質なクリックコンバージョンを得ることができます。
 
 

Native Video Boxのクライアントは、動画を掲載するウェブサイト、コンテンツ制作者、広告主などと、動画市場においてまったく異なるプレイヤーが揃っていますね。広告で上げた収益はどのように分配されるのでしょうか?
 
Alexander Shishow氏: 60%がパブリッシャー、25%がプラットフォームの手数料、15%がコンテンツ制作者に分割されます。関係上の詳細はすべて、スマートコントラクトで管理されます。
 
 
つまり広告で上げた全収益はクライアントに分配されるということですね。その場合、Native Video Boxのプラットフォームはどのように利益を出すのでしょうか?
 
初期段階では、ソフトウェアプラットフォームを使った動画広告の売上、もしくはRTBオークション(編集者注: リアルタイムビッディング。広告枠に対する入札をリアルタイムでおこなうオンライン広告技術)の売上からです。
 
ゆくゆくは様々なブランドのネイティブ広告を配置し、スポーツ用品制作会社用のスポーツ動画や、旅行ブロガーが飛行機代節約の方法を説明する動画などに一部を挿入する予定です。弊社は動画を一回表示するごとに、一定額をサービス利用料として受け取ります。
 
 
Native Video Boxのプラットフォームに加わったウェブサイトはどれぐらいありますか?また、将来的にその数はどうなるとお考えでしょうか?
 
Alexander Shishow氏: 2018年5月には1000サイトが加わる予定です。これにより、約1億2000万回の広告閲覧数を見込んでいます。そして8月には、ヨーロッパとイギリスのウェブサイトが3000サイトほど加入します。2019年2月には、南米のウェブサイトがさらに6000サイト加わり、2019年までに1万2000サイトが加入、合計で10億回の広告閲覧数を生む予定です。
 
 
これらのウェブサイトは、すでにNative Video Boxの動画を取り込む準備ができているのですか?
 
Alexander Shishow氏: はい、そうです。
 
 

ブロックチェーンを導入した理由

NVBがブロックチェーンを必要とする理由と、どのようにこのプロジェクトへブロックチェーンを導入したかを教えてください。
 
Alexander Shishow氏: 理由はまず第一に、複数の通貨を取り扱う環境でビジネスをおこなうため、そしてトークンを使ってグローバルに内部決済をおこなうためです。これにより、多国間での金融取引における制約から解放され、トランザクションのコストを最大30%も削減できます。
 
第二に、財務的および技術的コストを削減するためです。ブロックチェーンのおかげで決済上のコストは急速に軽減しており、事務処理に余計な費用を費やす必要が無くなっています。そのため、支出を大きく削減することが可能なのです。
 
第三に、広告表示のコストをスマートコントラクトに書き記すためです。
 
そして最後に、ブロックチェーンを使用することで、様々なオペレーションのパフォーマンスに対して100%の透明性を確保できます。
 
 
どのようにして透明性を担保していくつもりですか?
 
Alexander Shishow氏: 例えば、弊社が動画閲覧数に対する報酬配分の規約を一方的に変更しようとしたとしても、それは物理的に不可能です。つまり、広告主、ウェブサイト、コンテンツ所有者のお金は完璧に保護されているということです。
 
 
そういった情報が、スマートコントラクトに記されているということでしょうか?
 
Alexander Shishow氏: そうです。弊社のマネタイズシステムはすべてスマートコントラクトに記載されており、そのスマートコントラクトはGitHub(編集者注: ITプロジェクトや共同開発プロジェクトをホストするウェブサービス)で公開されています。その構造はオープンかつ透明で、その内容が気になる人は見ることができます。
 
 
動画が何回表示されたかをブロックチェーンに書き込む予定はないのですか?
 
Alexander Shishow氏: はい。プラットフォームの参加者側において一切の詐欺行為を防ぐため、最終的にはそうしたいと考えています。
 
 

現在事業を進めている国、そして同プロジェクトが基本的に重視している国際市場を教えてください。
 
Alexander Shishow氏: まず第一に、弊社はヨーロッパ、アメリカ、アジアの一部などといった英語圏の国際市場に焦点を当てています。将来的には、その他のヨーロッパ言語およびアジア言語の国に展開していく予定です。
 
 
 

開発状況に関して

Native Video Boxプラットフォーム開発の進捗はいかかでしょうか?
 
Alexander Shishow氏: 最重要機能はすべて実装されています。弊社のウェブサイトには、特定のウェブサイトにおいての動作を表した6つのデモバージョンがあります。インターネット上にそのプレビューがあり、ウィジェットを使うとどのように動画が表示されるかが見ることができます。これは、事実上の潜在顧客向け本格的なプレゼンテーションになっています。
 
 
NVBプラットフォームの開発にはどれぐらいの時間がかかりましたか?
 
Alexander Shishow氏: 弊社が同プロジェクトの開発を始めたのは2016年です。プロトタイプを作成し、半年も経たないうちに地域市場で利益をあげるようになりました。そしてプラットフォームの改良に2年以上費やしました。
 
例を挙げると、ここ1年は弊社サービスの中核を成す機械学習アルゴリズムの改善に取り組みました。
 
 
 

調達資金の用途、戦略とは

御社のICOは4月15日に終了します。調達した資金をどう活用する予定でしょうか?現在の事業目標と同じく教えていただけますか?
 
Alexander Shishow氏: 弊社は非常に多くの時間と知恵を持ち寄り、事業計画を立てています。その中で、まずマーケティングをおこなうためには資金が必要であるという考えに至りました。
 
ネットワークを構築し、動画のターゲティングと配信、そして広告との兼ね合いに関する技術も開発していく予定です。また、動画をホストする準備が整った新しいプラットフォームに、より高い品質を持つコンテンツを集めて宣伝していきます。
 
加えて、動画パブリッシャーおよび制作者のネットワークを確立することも弊社の計画には含まれます。我々は、動画コンテンツ制作者のコミュニティを形成したいのです。これはユニークな分散型動画ホスティングサービスになるでしょう。
 
弊社はまた、動画選別およびおすすめコンテンツのアルゴリズム開発、そして技術的インフラ — 特に分散型ストレージ施設と多層ブロックチェーンの開発に貢献しています。
 
 
 

プロジェクトを支える、メンバーとは

 
チームの人数を教えていただけますか?
 
Alexander Shishow氏: 今のところ、20〜30人ほどです。
 
 

どのような人材をお抱えですか?
 
Alexander Shishow氏: フィンテックおよびブロックチェーン関連における、多種多様な経験を持つマネージャーや専門家がいます。
 
例えば、弊社のチームリーダーの一人には、サーバー、外部インターフェース、データベースの開発経験が豊富で、機械学習の知識も持つAndrey Smirnovがいます。
 
弊社事業開発マネージャーのPaul Vasinは、ロシア初のコンテンツ連動型広告サービスであるBegunの広告ネットワークおよび技術を開発しました。
 
シニアデベロッパーのAndrey Tsvetkovは、VAST/VPAID、RTBオープンオークション、そしてWeboramaやBuzzoolaなどの広告ソフトウェアなどといった動画広告に関する包括的な知識を持っています。
 
Dmitry Solodkiyは分析データの処理に関するエキスパートであり、ボン大学の経済学士号を持つブロックチェーン先駆者の一人です。
 
Anton Noginovは、高負荷システムの構築、暗号アルゴリズム、ブロックチェーン開発、スマートコントラクトの実装などのプロです。またPeter KozyakovAlexander Vasilevは、フィンテックにおける一流の専門家です。
 
 
Alexander氏、自身も広告技術への深い知識をお持ちだとお聞きしました。
 
Alexander Shishow氏: 私は広告技術業界に長年勤め、Mirax GroupやCreative Mobなどの企業で、機械学習を使ったプロジェクトに従事してきました。また、自動化されたトラフィック品質管理システムのBotscannerプロジェクトもローンチしました。
 
 
客観的な経営おこなうためには、アドバイザーの存在も不可欠です。どのような方がアドバイザーとして参加されていますか?
 
Alexander Shishow氏: 弊社にはGabriel Zanko氏、Andrew Playford氏、Mike Raitsyn氏、Julian Zegelman氏、Yaacov Bitton氏などの著名なアドバイザーがいます。
 
さらに、GOSU Data Labの最高経営責任者でMGIDの前CEOであるAlexander Miheev氏からもアドバイスを受けています。
 
 
 

今後の方針、将来性

 
動画コンテンツ市場は非常に前途有望で、大きな潜在力を秘めているとおっしゃいましたが、数年後この市場においてNative Video Boxはどのような地位を占めるのでしょうか?この点に関して計画はされていますか?
 
Alexander Shishow氏: 全体的に見ても、数パーセントという小さな部分を占める計画しかありません。しかしながら、この数パーセントを金額に直すと、利益にしてすでに何百万ドルという額になります。

 
 
もう少し具体的にお聞かせ願えますか?
 
Alexander Shishow氏: 弊社の目標は初年で8800万ドルの売上を計上し、6600万ドルをコンテンツ所有者とウェブサイトに支払うことです。我々は、特定の目標を持つことなくすべての収益を分配したり、弊社の資本の成長に充てたりすることはしないと、意図的に決定しました。
 
我々のプロジェクトの存在意義とは、すべての利害関係者に対して便利なサービスを提供し、その利益を開発と使い勝手の改善に充てることなのです。
 

 

※本記事は、スタートアップ企業がICOによる資金調達を検討した際に、調達を成功に導くためのブロックチェーンのコンサルティングや、ソリューションを提供されているICOBoxさまよりいただいた情報を元に執筆しています。

 
 

さいごに

 
いかがでしたでしょうか。
 
ICOにより、獲得する資金の使いみちや今後のプロジェクトの方針をお聞きしました。ICOはそのプランだけではなくプロジェクトをおこなうメンバーや代表者について知ることも必要かもしれません。
 
資金調達を終えた、プロジェクトがどのように普及していくのかも注目していきたいですね。
 


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finte編集部

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