
一昨年、仮想通貨業界は異常な盛り上がりをみせました。しかし、今年の年明け以降、その気運は低迷し、一部では否定的な意見も聞こえてくるようになりました。
それでもなお、仮想通貨やブロックチェーンへ期待を寄せる声は強く、現在でも多くのメディアが取り上げています。
仮想通貨に対するメディアの取り上げ方、人々の反応についてみていきましょう。
世界中のメディアが仮想通貨に注目
テレビをはじめとするメディアでは、仮想通貨の話題がますます頻繁に取り上げられるようになっています。
海外では、まじめなトーク番組から子ども向けのテレビまで、幅広い形態で視聴者に提供されており、これは、もはや単なるトレンドとはいえないほどになっています。
この注目度の高さは、仮想通貨業界が崩壊するという憶測が時期尚早であるということを端的に表しています。
「仮想通貨バブルがはじけようとしている」と予言する人たちは、リスクに曝される恐れがあるようです。
なぜなら、世界中のメディアからの仮想通貨への注目度から考えると、この予言が決して的を得たものではないからです。
仮想通貨専門のテレビ番組・ラジオ番組も誕生
最近では、イギリスで仮想通貨に関する知識人向けテレビ番組の放送が開始されています。
司会者には有名な俳優であり財界の重鎮であるドミニク・フリスビー氏が起用され、参加者はシルバーのインゴットやビットコインキャッシュトークンなどのかたちで賞金を得るチャンスが与えられます。
同様のショーは、アメリカでも放送されました。
アメリカのネットワークCBSでは、Crypto Crowというニックネームの仮想通貨の人気ブロガーをフューチャーした仮想通貨の番組の制作が決まりました。
また、リスナーが各種アルトコインの入手方法や暗号通貨の最適な投資方法を学べる、ボストンFMの新しいCryptomaniaというラジオ番組でも、ビットコインやブロックチェーンが頻繁に話題に上がっています。
仮想通貨業界の発展は、子ども向け番組のセサミストリートの制作担当者の目にもとまり、同番組は子供のための画期的なブロックチェーン教育コースの開始を発表しました。
このようなメディアの動きは、仮想通貨を葬り去ってしまおうというよりも、革新的な技術を理解しようとする過程のように見えます。
イノベーションには抵抗がつきもの
人類全体を、「収入を生み生活の質を向上させるためのひとつの巨大な企業」とみなすならば、ブロックチェーンと仮想通貨は、この巨大企業の運命を大きく変える一種のグローバルなイノベーションとみることができます。
このようなイノベーションの導入は、従来の生活に慣れ親しんだ人々や古いやりかたで働く人々から、激しい抵抗を受けることがよくあります。
この反応については企業の心理学者が数年にわたり研究を続けています。
それは、ショック、無能力、否定、熟考、受容、テスト、統合といったいくつかの発展段階を経過します。
先進的な技術や仕組みを率先して取り入れようとする人々は、個々に、または小グループで、迅速にこのプロセスを消化することが可能です。しかし、大規模な社会集団でこのプロセスを進むには、はるかに時間がかかります。
異様な盛り上がりからの失望、そして受容へ
2017年末のビットコインをはじめとする仮想通貨市場の異様な盛り上がりは、「ショック」と「無能力」の2つの段階に分類することができます。
この時期、人々は、考えうる限りの付随的で群衆的な反射と、このイノベーションへの「賛成」あるいは「反対」を示す軽率で衝動的な反応を示しました。
数日間でその価値が倍になるはずだったコインを購入するために、自宅やアパートを売てしまった人々の話などは、この狂騒の舞台の1コマでしたね。
ブロックチェーンの信奉者、仮想通貨の後援者、およびICOBoxの共同創設者であるアナー・ババエフ氏は楽しそうに語ります。
2018年初頭の仮想通貨への関心の急落は、「否定」段階の特徴を示しています。
現在、私たちは断固たる変化を続けながら「熟考」段階を通過しており、「受容」段階がそれに続くと考えられます。
アナー・ババエフ氏によると、このロジックに従い2019年初頭には、仮想通貨のルネサンスが期待できるとのことです。当分の間は、新聞や雑誌の記事、ラジオやテレビ番組が仮想通貨の話題で賑わせてくれることでしょう。
優れた新技術を真っ向から否定したり無視したりして、後で赤面しないためにも、この情報は将来きっと役に立ちます。
そして、この知識を得る機会が無数にあるということは、誰の目にも明らかです。

finte編集部

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