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今回は4月~6月に起きたフィンテック系のニュースをまとめました。
この3カ月間で起きた主要なニュースから、ちょっとマニアックなニュースまで、さまざまなニュースを揃えました。
4月のフィンテック・仮想通貨ニュース

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マネックス、コインチェックを完全子会社化(4/6)
1月26日におこった、NEW流出事件以降、顧客保護や組織運営の適正化が求められていたコインチェックがマネックスグループの完全子会社となりました。
家計簿アプリ「MANEX ONE」や証券事業を展開するマネックスグループが買収したことにより、コインチェックのさらなる経営効率化が期待されています。
なお、マネックスによると、8月をめどにコインチェックの本格再開を目指しているようです。
ヤフーが仮想通貨産業への参入を発表(4/13)
ソフトバンクグループの子会社であるヤフーが、仮想通貨取引所事業を営むZコーポレーションを完全子会社化し、仮想通貨産業への参入を決めました。
Zコーポレーションが営む「ビットアルゴ取引所」への出資を通じて仮想通貨産業への進出を画策しており、今秋をめどに営業を開始するようです。
サイバーエージェント、独自の仮想通貨発行へ(4/20)
ネット広告代理店事業を営むサイバーエージェントが、独自の仮想通貨を発行する旨を発表しました。
もともと計画していた仮想通貨取引所の開設を断念し、仮想通貨開発へと舵を切るようです。
サイバーエージェントが展開するゲームやネットサービスで使えるコインを開発することで、さらなるユーザー体験の向上に努めるようです。
「日本仮想通貨交換業協会」が発足(4/23)
仮想通貨交換業の登録を得ている16社の社員が中心となって、「日本仮想通貨交換業協会」が発足しました。企業側が主体となって本格的に顧客保護へと動き出します。
なお、会長には仮想通貨取引所マネーパートナーズ社長の奥山泰全氏が就任しました。
Japan Digital Designが「みんかぶ保険」の提供を開始(4/23)
三菱UFJフィナンシャル・グループの子会社であるJapan Digital Designが、みんかぶと共同で保険ロボアドバイザー「みんかぶ保険」をリリースすることを発表しました。
その人に合わせた保険をロボアドバイザー(AI)が判断し提供する仕組みであり、AIの進出が進んでいなかった保険業界において先進的な取り組みであるようです。
ソニー銀、おつりで資産運用「マメタス」をリリース(4/25)
ソニー銀行が、おつりで資産運用ができるアプリ「マメタス」をリリースしました。
これはクレジットカードやデビットカードでお会計した際に、予め設定した金額と購入した商品の金額との差分をおつりとして積み立て、運用していくサービスです。
この運用に関しては、ウェルスナビのロボアドバイザーがおこなってくれるようです。
ソニー銀行は、「長期・積立・分散投資を自動化したサービスによって資産運用の新たな選択肢を提供する」ことを目指しています。
仮想通貨で売買できるゲームアプリ「クリプ豚」をリリース(4/27)
スマートフォン向けポイントサイトを運営するセレスは、ブロックチェーンを用いたゲームアプリ「クリプ豚」を配信することを明らかにしました。
この「クリプ豚」というゲームでは、ゲーム内でイーサリアムでの課金ができるようになっています。
仮想通貨がさまざまな用途で用いられるきっかけになるのではないでしょうか。
5月のフィンテック系ニュース

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SMBCグループとGMOが次世代決済プラットフォーム計画を発表(5/8)
SMBCグループとGMOが新世代のキャッシュレス決済プラットフォーム構想を発表しました。
クレジットカードやICカード、QRコード決済など、さまざまな種類の決済手段が増える中でそれらを1つにまとめる決済プラットフォームを作るようです。
リアル決済No.1のSMBCとネット決済No.1のGMOが連携し、より決済の利便性が上がるような仕組みに期待するばかりです。
「オタクコイン」無償配布へ(5/9)
日本のポップカルチャーを世界に流布すべく設立されたTokyo Otaku Modeが仮想通貨「オタクコイン」を無料配布する方針を発表しました。
漫画やアニメの制作プロジェクトをこの「オタクコイン」を通じておこなうためのプラットフォームを提供しようとしています。
今後は漫画家や制作作家がもっと良い作品を作れるようになるための環境づくりを整えるようです。
みずほFGや富士通、スマートスタジアム実験へ(5/18)
みずほフィナンシャルグループや富士通などがスポーツ観戦の際のキャッシュレス決済を実現するための実験をおこなうことを発表しました。
チケットの提示や商品の購入など、スポーツ観戦の際に発生する決済をすべてスマートフォン上でおこなえる仕組みを整えた「スマートスタジアム」を本格的に稼働するようです。
ノーベル経済学賞受賞学者のシラー氏が仮想通貨へ警告(5/21)
ノーベル経済学賞を受賞したシラー氏が「仮想通貨には価値はない」と警鐘を鳴らしました。
彼は仮想通貨があくまでも貨幣実験にしかすぎず、既存の金融体制および金融レジームを根本的に変換しうるものではないと述べました。
ビットコイン・ピザ・デー(5/22)
5月22日、仮想通貨業界ではビットコイン・ピザ・デーと呼ばれる記念日です。
8年前のこの日、フロリダのあるプログラマーが1万ビットコインをピザ屋さん「パパ・ジョンズ」の2枚のピザと交換しました。この取引が仮想通貨を用いた初の取引となっており、今や記念日となっています。
ちなみにこの1万ビットコイン、当時はピザ2枚(=25ドル)と交換しましたが、現在は約91億円にもなっています。
マネーフォワードが仮想通貨取引所開設へ(5/23)
家計簿アプリ「マネーフォワード」を運営するマネーフォワードが、年内に仮想通貨取引所を開設する旨を明らかにしました。
マネーフォワードフィナンシャルという完全子会社を設立し、その子会社が仮想通貨取引所を運営します。
運用できるコインは、「ビットコイン」「ビットコインキャッシュ」「イーサリアム」の3種になる見込みです。
6月のフィンテック系ニュース

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ハウステンボス、独自の仮想通貨発行へ(6/4)
佐世保市の人気テーマパークであるハウステンボスが独自の仮想通貨「テンボスコイン」を開発する旨を発表しました。生体認証技術を研究するスタートアップ企業のリキッドと連携し、園内のキャッシュレス化を目指します。
なお、導入時期の明示はされておらず、「テンボスコイン」を実際に使えるのは少し先のことかもしれません。
リップルが世界の17大学と連携し、約55億円を寄付(6/5)
リップルが「大学ブロックチェーンリサーチ構想(UBRI)」というプロジェクトを世界の17大学と連携して発足する旨を発表しました。
このプロジェクトを通じて、リップル社は約55億円を寄付し、将来的に不足するといわれているブロックチェーン業界の技術者や開発者の輩出を目指すようです。
セブン&アイHD、スマホ決済事業へ参入(6/14)
セブン&アイHDが新たに子会社「セブン・ペイ」を設立し、来春をめどにスマホ決済事業へ参入することを発表しました。
詳細についてはまだ検討中ですが、キャッシュレス化を図るべく新たに参入するのでしょう。
One Tap Buyが月額980円で株式売買し放題プランを提供することを発表(6/18)
1,000円から株式取引をおこなえるサービスをリリースしているOne Tap Buyが、月額980円でETFを売買し放題になる定額プランを発表しました。このプランでは、米国株、日本株のETFを売買することができます。
月額980円を支払うことで手数料無料、スプレッドなしでの取引が可能になります。
ポケットチェンジ、各小売店が独自の電子マネーを発行できるサービスを提供開始(6/18)
ポケットチェンジは、小売店や個人事業主が独自の電子マネーを発行し、その電子マネーで商品を購入することができるサービス「ポケットチェンジ PAY」の提供開始を発表しました。
この電子マネーはスマートフォンとも連携することができるため、古くからある近くの駄菓子屋さんで独自の電子マネーで購入する、なんてこともありうるかもしれません。
仮想通貨交換業者、金融庁に業務改善命令を受ける(6/22)
金融庁はビットフライヤー(bitFlyer)、QUOINE、ビットバンクなど計6社に業務改善命令を出しました。顧客保護や内部管理体制の不備を指摘しており、これを受けてビットフライヤーは新規口座開設を停止しています。
セキュリティの脆弱性がしばしば指摘される仮想通貨業界、金融庁主体でしっかり対処に向かってほしいですね。
ペイパル上で企業から個人への送金が可能に(6/25)
アメリカの決済大手ペイパルが、企業から個人にメールアドレスだけで送金をできるサービスを始める旨を発表しました。
CtoCのECサイトが流行するなか、個人間の決済に向けた大きな一手であるといえるでしょう。
おわりに
今回は4月~6月のフィンテック系ニュースを集めました。最近は市場感として、仮想通貨熱は少し冷めているものの、決済に関する事業に乗り出している企業が多いようです。
現金を使わずに毎日の生活を営める日が来るのもそう遠くないのかもしれません。

yuki irie

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