前回、英語圏の消費者向けの融資サービスを紹介しましたが、国内でもとんでもないアプリが出てきました!『目の前のアイテムが一瞬でキャッシュに変わる』革命的アプリCHASHをご紹介。実際に使用してみた感想と、海外のオンライン質屋サービスやメルカリとの比較もしています。
審査なんて関係ない!!写メでOK!質屋アプリCASH

「今日は好きな人とデートの日。でもお金がない・・・。どうしても今日はお金が必要だ・・・!」そんな時は誰にでもあると思います。特に学生にとってはとても切実な問題ですよね。
たとえば、その日の合コンを逃してしまうと、バラ色の学生生活とは無縁の青春を過ごしてしまう可能性もあるかもしれません。そんな時、かつては質屋というものが利用されていたそうです。
若い人には馴染みがない質屋ですが、簡単に言うと自分が所有している時計のようなブランド物、貴重品を質に入れ、それを鑑定してもらうことによって、それに見合ったお金を一時的に借りることができるお店です。お金が返せない場合は質にいれた貴重品をそのまま質屋に買い取ってもらうか、お金を返して貴重品を取り戻すかを選ぶことができます。
そして、その質屋がスマートフォンで利用できるアプリがリリースされ、大きな話題になっています。フィンテックベンチャー企業の株式会社バンクが提供するCASHです。(※同代表 光本氏いわく、『やっていることはあくまで古物の流通。』だそうで質屋ではないそうです。)
自分の持つ貴重品(アイテム)を写メで撮影するだけで、「〇〇円相当です」という査定をしてくれます。そして自分の銀行にその額をすぐに振り込んでもらうことができます。いわゆる『質に入れた』状態です。そして2ヶ月以内に、お金を返すかアイテムを譲る(送る)かを選ぶことができるそうです。
このサービスが、大きな評判を生んでいるのは主に以下のような疑問が当然出てくるからです。
- 写真で、本当にアイテムがどれくらいの価値があるか分かるの?
- 本当にその人の持ち物だという証明ってどうするの?
- アイテムをバンク社に届く前にお金貸して本当に回収できるの?
- 不正ができてしまうのではないだろうか?
「そんなの関係ねぇ!」と言わないばかりに、、CASHの登録は本当にお手軽です。お金を借りる人がどういう人かということは、当然貸し手からすると気になるところではありますが、CASHが必要とする、個人の認証のための情報はスマホの電話番号だけだそうです。
頭に入れたら使用可能!! CASHにおける10のルール

- ①借りられるお金は2万円まで。それ以上の価値がある場合も2万円になる
- ②使用する際に必要な情報は、スマホの電話番号のみ
- ③借りたお金は銀行口座に振り込まれるか、コンビニで手渡しかを選べる
- ④口座振込みなら午後3時までなら(銀行の営業時間)すぐに振り込まれる
- ⑤コンビニ手渡しなら、店にある端末で発行される番号をレジで渡すと現金を支払ってくれる
- ⑥アイテムを送らない(お金で返す場合)は一律15%の手数料がかかる
- ⑦現金では返さない場は2カ月以内にアイテムをCASHに送る
- ⑧現在(2017年6月28日)アプリはiPhoneが使用可能、Android版は近日中のリリース
- ⑨一度お金振り込まれた後にキャンセルをすると、キャンセル料が発生
- ⑩返金をせずアイテムも送らない等の不正をした場合は二度とサービスを利用できない
実際に使用してみた。
どれほどお手軽なのかということを調べるために実際にCASHを使用してみました。まずはアプリをダウンロードし、自分の携帯電話の番号を登録します。それだけで登録は完了。早速はじめることができます。今回はB◯AMSの折りたたみ傘を現金化してみることにしました。

ブランド・カテゴリ・コンディション設定

自分が持つアイテムを現金化するには『キャッシュ』というアイコンを選択します。すると、ブランド・カテゴリ・コンディションという選択肢が出てきます。
ブランド設定

ブランド設定ページに行くと、現金化するアイテムのブランドを設定することができます。さすがに、どんなものでも写真を取るとお金に変えることができるというわけではなく、既に設定されているブランドのものでないと現金化することはできないようです。ブランドを設定し次に進みます。
あまりメジャーではないブランドのものでもありました。アパレル系のブランドの設定がたくさんあるようです。
カテゴリ設定

選択したブランドがどういうカテゴリのものなのかをこのページにて設定します。スーツ、ネクタイ、バッグ、シューズなどのように様々なカテゴリから選ぶことができます。今回現金化する、折りたたみ傘の選択肢はなかったので『アクセサリー』の中にある『その他・アクセサリー』選択しました。
コンディション設定

コンディションは5段階で選択します。主観的!! 状態良好なので星3つを選択しました。
カメラ撮影

3つの選択肢を選ぶと、カメラ撮影、B◯AMSの折りたたみ傘を撮影しました。
査定・料金表示

写真を撮影すると、すぐに査定され、貸出が可能な料金が表示されます。今回は1,000円の値段がつきました。ちなみに編集部スタッフが試したところ、5年使っている5万円した財布(GU◯CI)は4,700円の値段がつきました。何度か撮影をし直しても料金は変わらなかったため、写真写りで値段が変わるというわけではないようです。
後から知ったのですが、料金に関わるのは基本的に入力をする3つの設定であり写真撮影はあまり重視されていないようです。
現金化選択

こちらのページで、お金の引き出し方法を選択します。コンビニでお金を手渡しされるか、銀行振込かを選ぶことができます。銀行振込を選択し、口座番号を入れるページが出てきますので、こちらに番号を入れます。
入金

申請後、10分足らずで振り込まれました。2ヶ月の期間で、お金を返すか、アイテム(折り畳み傘)を送るかどうかを選択することができます。集荷依頼をすると、アイテムを取りに来てくれるそうです。
集荷

今までの『ありがとう』と共に折り畳み傘を送りました。これで1,000円(手数料を引いた750円)が銀行口座に振り込まれました。荷物が届く前にすぐにお金を振り込んでくれるというのは、ユーザーからすると本当にありがたいです。
類似サービス、イギリスのオンライン質屋ボローとの違い
Borro(ボロー)
実は、似たようなサービスは海外に既にあるそうです。ボローというイギリスで生まれたオンライン質屋のサービスがそうです。こちらは、質屋に入るところを見られたくないイギリスの貴族たちの支持を受けてとても成長したフィンテックサービスです。
ボローは完全に質屋というビジネスモデルですが、CASHと決定的に違う点があります。CASHはアイテムを送る前にお金を借りることができることに比べ、ボローはアイテムがボロー側に届いた後に鑑定し、どんな人がそのアイテムを送ってきたのかという審査に通って初めてお金が借りられるという点です。
借りられる額もボローは最大約1億4,000万円に対してCASHは2万円という違いがあります。そう考えると、CASHは少し審査が甘すぎるような気もしなくないですね。
メルカリとの違い
CASHをアイテムの買い取りサイトだと考え、借りたお金をすべてアイテムを送ることによって買い取ってもらおうという考え方であれば、メルカリも類似のサービスだと言えるのではないでしょうか。メルカリとの違いは、まずメルカリが自分(売り手)が言い値を付けて買ってくれる人を待つという取引ですが、CASHはCASH(買い手)の言い値で買い取りをしてくれるという点があります。
メルカリには、より高く買ってもらえるという可能性がありますがCASHには早く、確実に買ってもらえるという違いがあります。その時の状況などから使い分けができれば、お小遣い稼ぎがしたい人にはとても有効に使えるのではないでしょうか。
さらに、CASHに興味のある人はこちらバンク社の代表 光本氏のインタビューを読むことができます。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
驚くほど、簡単、便利にアイテムをお金に変えることができるサービスであるCASH。本当にサービスの提供が始まったばかりなので、どうなるかはわかりませんが普及する可能性を感じることができました。将来の自分に投資するために借金をするということは非常にネガティブな印象を持ってしまいますが、自分が持つ資産からお金を得るという質屋的な借り入れは多くの人に受け入れやすいのかもしれません。
欲しいものを得るために、ガマンをするということは既に時代遅れになりつつあるのかもしれませんね。今後のCASHの普及にも注目していきます!

佐野 祥貴

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