ビットコインのはじまりからマウントゴックス事件までを調べてみた。

こんにちは!finte編集部です。
突然ですが仮想通貨と聞いて、どのような印象をもつでしょうか。
 
多くの人はあまり親しみがなく、人によっては否定的な見方をしているかもしれません。
何か怪しげだ」「胡散臭い」という印象を受けるのではないでしょうか。
 
仮想通貨とは、目に見えない触れることもできない、ネット上の通貨です。
現金ばかりを利用する日本人からすると、親しみがないことは当然のように思います。
ビットコインがよく知られるきっかけとなってしまった事件が今回紹介する
マウントゴックス事件でしょう。
 
仮想通貨ビットコインの成り立ちとこの事件を理解することにより、その可能性がストレートに見えてくるかもしれません。
 

ビットコインのはじまり

 
ビットコインは2009年、ある人が書いた論文からはじまりました。
この人物はナカモトサトシと自ら名乗っていますが、実際のところ直接あった人はおらず、顔も性別も年齢も存在するかすら一切不明の人物です。

 

今でこそ、1.6兆円の規模にまでその価値を高めたビットコインですが、ナカモトが
パソコン上の数字をお金代わりに使おう」といいだしたアイデアが機能するかどうかを試すというゲーム感覚でネットから繋がった開発者達がおもしろ半分ではじめたプロジェクトでした。当然、当時は買い物ができるるわけではありませんでした。
 
どれだけビットコインを持っていたとしてもこの頃は何の価値もなく、おもちゃのお金のようなものでした。
 
ある日、一人のエンジニアがビットコインのコミュニティに冗談で
ピザ1枚とビットコイン1万円分と交換しないか?」と持ちかけました。
それを面白いと思った別のプログラマーが、ピザ屋からピザを注文しエンジニアの家に届けました。エンジニアは1万円分のビットコインをプログラマーに支払いました。
 
これがビットコインが初めてお金と同じ価値を持った瞬間でした。
 

ビットコイン交換所、マウントゴックスの設立

 
お金としての価値を持ったビットコイン、その可能性に可能性を感じた企業がビットコインの交換所というビジネスに乗り出します。
これがマウントゴックス社でした。
 
この会社は、もともとマジック:ザ・ギャザリングというカードゲームのカードの交換をネット上でおこなうための会社でした。
マジック:ザ・ギャザリングとは、1993年に作られた世界初のカードゲームで日本で馴染みのあるものでいうと、遊☆戯☆王オフィシャルカードゲームデュエル・マスターズのようなものです。
 
マウントゴックス(Mt. Gox)という名前もMagic: The Gathering Online eXchange「マジック:ザ・ギャザリングをオンラインで交換」を縮めたものでレアカードをネット上で交換したり換金したりするサービスをおこなっていたのです。
 
マウントゴックス社の代表はフランス人でしたが、日本のゲームファンであり日本人と結婚していたため、マウントゴックスは渋谷で会社を経営していました。
当時のビットコインはとてもマイナーで価値も1ビットコインで1ドル(116円)にも満たなかったため、カードゲームの交換に近い感覚で事業をはじめていったそうです。

 

時代に乗り高沸するビットコインの価値

 

2013年ユーロ圏のキプロス共和国という国でおこった金融危機によりユーロの価値が不安定になりました。
このころから、少しずつ国や組織に価値が依存しないビットコインの可能性を感じる人が増えはじめ、ビットコインの価値は高まりはじめました。
 
2013年の11月にはかつて1ビットコインが1ドル(116円)にも満たなかったのですが
同年、その価格は1ビットコインで12万円にまで高まりました。
 
ノルウェーの男性が遊び感覚で2400円分買って、忘れていたビットコインが
この年に1800万円になっていたので、現金に換えて家を建てという話もあるほどです。
 
ビットコインに可能性を感じた世界の投資家たちが、当時交換所は世界にも少なかったためカードゲームの取引会社だったマウントゴックスに我先にとアクセスをして、マウントゴックスは一時期、全体の取引の70%という最大級の取引量を誇るビットコイン交換所になりました。
 

狙われたマウントゴックス?

マウントゴックス社、取引の内側

 
実際のマウントゴックス社の取引内容としては、ビットコインを買いたいユーザーがマウントゴックス社のアカウントを作り、銀行から円やドルをマウントゴックス社の口座に振り込みます。ビットコインを換金する場合はマウントゴックス社のビットコイン口座にビットコインを振り込むことにより、自分の口座に現金が振り込まれるという仕組みです。
 
マウントゴックスのアカウントには自分がマウントゴックスに預けている現金とビットコインの残高が見ることができるので、それを見ながら売買をしていました。
 
ビットコインを買って持っておくだけなら、マウントゴックス社でビットコインに現金を交換した後で自分のビットコインウォレット(自分のコンピュータ上にインストールして管理できるサイフ)にビットコインを貯めておくだけです。多くのユーザーは売り買いを頻繁にしていたため、ずっとマウントゴックス社にビットコインを預けたままでした。これが、マウントゴックス事件の一番の原因になったと言われています。
 

一元管理が招く悲劇

 
ビットコインは中央が一括管理するシステムではなく、分散してお互いの取引に間違いがないかを確認し合うブロックチェーンと呼ばれるシステムを採用しています。

 
その考え方は
管理を誰か一人に頼り切らないで、みんなで間違いのないようにしよう」というものですが、ユーザーは頻繁にビットコインの取引をするためマウントゴックス社に自分たちのビットコインの管理を任せていました。
 
マウントゴックス社自体も預かったすべての預金ビットコインを本来ユーザーごとの口座に管理するべきところを、ひとつの口座に一元管理していたと言われています。
 
口座を複数持つことによっての手数料を省くために一元管理したのか、そもそもユーザーごとに管理するということができなかったのかは定かではありませんが、そういった管理方法を取っていました。
 
そして、預金をしてくれているユーザーの売り買いが発生したときには、その取引を一元管理した台帳に記録していました。
 

消えた470億円

 
マウントゴックス社は、もともとカードゲームの交換をオンラインで行うことを事業としていた会社でしたが、ビットコインの価値があがるにつれ、多くなる取引により仕事量が増えていきました。
 
そんな中、マウントゴックス社はハッカーにより攻撃を受けたと発表しました。
マウントゴックス社が管理していたビットコインがなくなってしまったというのです。
 
ハッカーはマウントゴックス社の「誰がいくら持っているか」ということを一元管理している台帳を書き換えました。勝手に他のユーザーの預金額を書き換え、自らの預金額を増やしてそのお金を少しずつ引き出していったと考えられています。
 
普通なら、ユーザーが把握している自らのアカウント上の残高と、マウントゴックス社の一元管理している台帳を照らし合わせれば、細工されていることがすぐに分かるはずですが、業務量が増え日々の仕事に追われていたのかマウントゴックス社はその事実にすぐには気づかず、営業を続けていたとのことでした。
 
公表した頃にはすでに遅く、114億円から470億円前後(ビットコインの価値によって被害額が上下する)のお金を奪われていました。マウントゴックス社の代表は、2014年2月28日の記者会見で言いました。
 
ビットコインがなくなってしまい、本当に申し訳ない
 

引用:「ビットコイン」マウントゴックス代表が緊急会見(14/02/28)|ANNnewsCH

 
一部は実際に盗難されたようでしたが、後にさまざまな捜査によって

  • 外部からのハッキングの痕跡はほとんど確認できなかった
  • マウントゴックス社の取引を記録した台帳が社長自身のみがアクセス可能であった

ことが発覚し、ハッカーに攻撃を受けたのではなく社長自身が横領したのではという疑いが持ち上がり、マルク・カルプレス代表には業務上横領の容疑もかかりました。
 

捜査関係者によると、カルプレス容疑者は平成25年2月中旬、マウント社の社内システムを不正操作し、自身名義の口座残高を100万ドル分水増しした疑いが持たれている。

 
代表自身が被害者であるか、加害者であるかは定かではありませんが結果的にマウントゴックス社は破綻し、マウントゴックス社にお金を預けていた人にはお金が返ってきませんでした。

 

メディアが報じた、ビットコインの破綻

マウントゴックスの事件を詳しく知ると、問題があるのはビットコインではなくマウントゴックスの管理方法であったことが、簡単に分かります。
 
しかし、連日メディアでは
ビットコインが破綻した。」「ビットコインが消えた。
という報道を行いました。また、マルク・カルプレス代表の記者会見の様子からも多くの人は初めて知るビットコインに関して、若干ネガティブな印象を持たれてしまったと言われています。
 
マウントゴックスは渋谷にあった会社でしたが、ほとんどのユーザーはいち早くビットコインの可能性に気づいた外国人でした。彼らはもともと初期の安い時期に自己責任でビットコインを購入していたユーザーでした。ビットコインの価値が高まり購入当初より何倍ものお金になっていましたが、もともと少額で行っていた方が多かったため、諦めがつきやすかったのか、その後大きな報道になることはありませんでした。
 
マウントゴックス事件の報道は、大げさにいえば金庫から貯めていたお金がいつの間にか、どこかにいってしまったという事件をうけ「日本円は消えるものです」と報道されたという内容だそうですが、結果として多くの人の中にビットコイン、仮想通貨は一部で否定的な捉えられ方をしてしまいました。

 

さいごに

 
マウントゴックスの事件は「誰か一人に頼り切らないで、皆で間違いのないようにしよう」という考え方であるブロックチェーンの概念を持ったビットコインが一事業者の一元管理のもと、大きな損失を生んだという皮肉のような事件だと言われています。
ビットコインのシステムには問題はありませんでしたがそれを扱う人に問題があったとのことです
 
今後さらに仮想通貨の活用は増えていくと考えられます。新しいテクノロジーを使うためには、人も新しい概念や考え方を取り込んでいくことが大切なのではないでしょうか。finteの記事がそんな手助けを少しでもできれば幸いです。


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佐野 祥貴

佐野 祥貴

新卒で入社した企業の出資先であるベンチャー企業に入社1ヶ月で出向、事業の立ち上げ、Web広告の営業、広報活動などを経て、finte編集部にて活動。全くの初心者にも知見のある方にも、わかりやすく、おもしろいフィンテックとの出会いをWebを通じて届けることができればと考えています。